私の学生時代から好きな漫画家の1人でもあります。
今回紹介するのはずいぶん前に池袋の西武ギャラリーにて開催された『 デビュー45周年記念 吾妻ひでお 原画展 』とそこで購入したクリアファイルです。
会期は2013年11月21日(木)~25日(月)までとかなり短めでした。
吾妻ひでお 氏は1980年代にエロやSFのエッセンスを取り入れた作品で一世を風靡し、ロリコンブームを牽引した一人であったとされています。
私自身は当時から知ってはいたものの氏のポジションや取り組むスタンスなどはあまり詳しくはなかったです。
そもそも吾妻ひでお氏の名前を一気に押し上げたのは1972年~76年まで週刊少年チャンピオンに連載された「ふたりと5人」(1972年)だと思います。
同時期に多くの作品を発表されていましたが、やはりメジャー誌であったことから私の目にも留まりました。
カテゴリーはギャグマンガ作品という形にはなっていますが、個人的には少しニュアンスが違うのかなと思ったりしています。
ナンセンスものと言うか、コメディにも近いというか、文字にすると表現が難しいですね。コミックスのカバーには「爆笑コミックス」と書かれていてこの表現が合っている気がします。
ご本人は編集部主導の作品であるため乗り気ではなかったようにおしゃっていますが、個人的にはなにせ読んでいて楽しい漫画です。
ちなみに全巻ではなく数巻なのですが、ふたりと5人の当時買ったコミックも今でも手元にあります!
つまりこのコミックは45年以上も私の部屋に居座っているってことになります、思い出深い1冊ですね!!
写真を見てもらえれば分かる通りめちゃくちゃ日焼けしていますが、おそらく当時はもっと持っていたと思うのですがカバーが無くなったりページが傷んでしまったりして手放したものもたくさんあります。実は結構引越しも多くてそのたびに整理してるわけなので、そう言う弊害もあるわけです。
ただ今でも大切にしている1冊です。
そう、私は漫画家 吾妻ひでお氏が好きなのですよ。
この原画展ももちろんたまたまではなく、事前に知っていて楽しみにしていました。
しかしです、会期が5日間というのは短いにも程がありますよ!
私設のギャラリーでやってる学生の個人展じゃないのですから、最低10日間はあってしかるべきだったと思います。
私は11月23日の土曜日に行きました。会場の西武ギャラリーは別館2階にあり毎回ちょっと行きづらいな(ルート的にですが)と思いながら行っています。ただ昨今の傾向では撮影もOKとする展示会が増えているのですが、当時2013年はまだ写真撮影などは出来ませんでした。
そのため会場前の写真しか残っていません。
なお原画展は翌年2014年に博多阪急百貨店でも開催されました。
ちなみにクリアファイルは4種購入しているのですが、当時はいくつかの中から選んで買ったのか全種で4種だけだったのかは覚えていません。
色々ネットで調べていると、どうやら販売されていたのはこの4種だけのように思います。
今のネット時代はこうした調べものが容易になってきたので助かりますね。
■宇宙船にテレポーテーションしてきたエイリアン
■ななこと小さい生き物
■河に棲む物
■アリス
入場チケットは「陽射し」という作品の表紙絵が採用されています。
私が吾妻氏を好きな理由は簡単です。
ちょっとしたエロ要素がありながら独自の世界観がある作品群が多いからです。
それは昭和の時代背景とも合致する気がします。色んなメディアが増えて、作品もあらゆる方向性を模索した時代だったのかなと思います。
おそらくエロ文化(オタク文化)のとっかかりの時代から、ロリータをはじめとしてその歴史をけん引したと言っていいと私は思います。同時にエロを求める周囲の欲求と言うか加速感はすごかったんだろうなという気もします。
吾妻氏の近しい知人に米澤嘉博氏がいます。
名前だけを聞かされるとピンとこない人がほとんどかと思いますが、オタク界隈では有名な人物です。
1980年ごろから25年以上も同人誌販売で有名なコミックマーケットの代表を務めてられていて、同人やオタクなら誰もがその名前を知っているほどの人物です。
※当時の吾妻氏もロリコン同人誌シベールを仲間らとコミケで販売する活動をされていました。
米澤氏は明治大学の出身で、没後に蔵書の一部を引き受けた明治大学の「米沢嘉博記念図書館」は有名です。私も2~3度ほど訪れたことがあります。神保町から徒歩で10分くらいで着く場所にあります。
なおこの図書館で過去には「吾妻ひでお美少女実験室」の企画展(2011年2月)も行っています(これは行けてなかったです、残念過ぎますね。。。)
数年前に訪問したときに撮った外観の写真です。
吾妻氏は晩年は自身の生活や闘病を描いた「うつうつひでお日記」や多くの賞にも輝いた「失踪日記」などの作品もいくつか執筆しています。その時は、今後も続刊はもちろん新作なども期待していました。
吾妻氏の訃報が届いたのは2019年10月でした。まだお若かったのでとても残念でした。
そして結果的にはこの原画展が最後の大きなイベントとなってしまいました。
本当に行けてよかったなと思います!!