東京ゲームショウ 2024(Tokyo Game Show2024)

東京は度重なる台風を経て非常に涼しくなってきました。
しかしそんな中でも「今日は暑いですね」と感じるのがイベント会場です。特に屋内型で集客性の高いイベントはもれなく暑いと言えます。

先週は千葉県の幕張メッセで開催された『 東京ゲームショウ 2024 』を視察してきました。


天候もあまりよろしくなく、昼頃に行ったのですが小雨がすでに降っていました。

東京ゲームショウ 2024 開催概要

名称:東京ゲームショウ2024
会期:2024年9月26日(木)~9月29日(日)
ビジネスデイ: 9月26日(木)10:00~17:00、9月27日(金)10:00~17:00
一般公開日: 9月28日(土)10:00~17:00、9月29日(日)9:30~16:30
開場:幕張メッセ
主催:一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)
共催:株式会社日経BP 株式会社電通
後援:経済産業省

TGSの構成を説明すると12のテーマエリアに分かれます。

①一般展示
展示ホール1~8の約70%ほどを占めるのがゲームメーカーによる展示エリアです。
ソニーやカプコンやコナミやスクウェア・エニックスなどのファーストパーティやサードパーティの巨大なブース群と中堅メーカーなどが大小さまざまなブースを出展しています。
②スマートフォンゲームコーナー
名称通りスマホ向けのゲームアプリなどを展開するエリアです。
③ビジネスソリューション【ビジネスデーのみ】
このエリアの特徴は多くの企業がビジネスデーのみの出展であることです。ビジネスに特化しているためです。
④ビジネスミーティングエリア【ビジネスデーのみ】
国際展示場を使用して開設される各社の商談会スペースです。TGSでは一般展示には出展していない任天堂ですが、このエリアでは商談スペースなどを設けてしっかり対応しています。
⑤eスポーツコーナー
世界的には急拡大しているジャンルですが、TGSでもコーナーを展開していて、eスポーツプレイヤー向けのデバイスなどを展示しています。
⑥ゲーミングライフスタイルコーナー
ニトリなどがゲームを含めたライフスタイルの環境提案を行っています。
⑦ゲーミングハードウエアコーナー
その名の通りMSIなどハードメーカーを中心に構成されています。
⑧AR/VRコーナー
特化したコーナーですが個人的にはやや停滞しているジャンルにも感じており、エリアも小さめです。
⑨ゲームアカデミーコーナー
簡単に言ってしまうと「学校」のエリアです。デジタル技術やコンテンツ制作を扱う学校からコンピュータ専門学校などがずらりと並びます。
⑩ファミリーゲームパーク【一般日のみ】
中学生以下の子供とその家族のみが利用可能で一般日のみ実施しています。
⑪物販コーナー
ゲームメーカーやコスパなどのグッズメーカーまで幅広く出展しており、毎年コジマプロダクションの物販ブースが出展していることでも注目されています。
⑫インディーゲームコーナー
いまや当たり前のような存在となったインディーズ系のエリアです。こちらもかなり広いエリアです。

こうして書きだすと非常に幅広く様々なジャンルの企業が出展していることがうかがえます。
10年ほど前にTGSの人気が下降していた時期があるのですが、現在大きく盛り返しており、ゲームやエンタメ人気だけではなく共催となる日経BPや電通が非常に頑張っている成果と言っていいかと思います。

なお私はビジネスデーの2日目の9月27日(金)の午後に行きました。



毎回このレジストリーの列は無駄に感じます。勿論この問題はTGSに限ったわけではなく世界中のイベントでよく起こる問題です。

インディゲームコーナー/物販コーナー

TGSはもちろん一般展示から見る人が圧倒的に多くこれまでは私も同じ行動でした。理由としては入場する際のレジストリーの場所が2ホール付近に設置されているため、おのずとそのまま1ホールから入場してしまうためです。
そのため9~11の展示ホールは毎回時間切れでほとんど見ずに終わることが多いため、今年は最初に行きました。

まず驚いたのが物販コーナーに多くの来場者がいたことです。実はこれまでの傾向としてビジネスデーはガラガラに空いていることがほとんどなのです。
後ほど書きますが、今年は来場者数が昨年より多いというのが要因の1つです。

もちろん各ショップで列を作ってまで並ぶというレベルではありません。
ビジネスデーにもかかわらずかなりの人がグッズを買っていて驚きました。
もちろん今年もコジマプロダクションは出展していました。




インディーズで目に付いたのはしっかりしたメーカーやクリエイターが増えたことでしょう。
過去には、どうにか参加しています的なクリエイターやゲームのみの展示でマーケティングツールを全く用意していないというパターンも多く見かけました。


今では販促物などもしっかり準備されています。
ゲームクオリティも相当に上がってきており非常に競争が激化している印象です。また品質が向上した半面で遊びやユニークさに特化したコンテンツは少し減っている気がします。もちろん私が全体を眺めながら移動する際に、パッと見の印象で差が少なくなっていることでそう感じる部分もあるかもしれません。

また海外からの出展参加者も目立ちます。
円安の影響もあるかもしれませんが、それでも会期4日間+前後の日本滞在が必要と考えると費用はかなり大きなものです。みなさん自信があるからこその決断で素晴らしいです。挑戦は大事です。

一般展示

いよいよメイン会場です。
物販を先行して見たため、中央エントランスから近い5ホール(バンダイナムコ横辺り)から入りました。

時間は午後13時30分くらいだったと思います。
初日の情報で非常に混んでいる話は聞いていたのですが、天候が悪いにもかかわらずかなりの人が来ていました。
そしてすぐに「暑い」と感じました。空調もかなり効かせているようだったのですが、それでもじわっと暑いです。私は暑いだろうと予想して半袖で行っており大正解でした。


なおビジネスデーとは言っても午後から入場しているようではほとんど試遊は難しい状況です。
・整理券配布がすでに終了している
・並んでプレイするにも30分以上待つ必要がある

TGSは17時で終了となるため、あっという間に終わってしまいます。

そして数こそ少ないのですがクリアファイルなどのノベルティも気が付いた範囲で貰っています。
しかし待機時間の長い試遊特典などは貰っていません。

さてビジネスデーにも関わらず来場者が多いと書きましたが昨年比で10,000人ほど各日増えています。
見渡した感じで言えば従来のセールススタッフやメディア、各バイヤーなどに加えてYoutuberやVtuberなど配信や実況を行う来場者が増えています。
カメラを片手にウロウロする姿も多く、動画サイトなどへの投稿をビジネスとする人も大勢きています。
またこれらの人たちはグッズなども買い求めるため、物販コーナーにも人が大勢いたというわけです。

Playstationのブースを見ていると、懐かしい色のハードが展示されていました。Playstationが誕生してから30周年のようです。何やら感慨深い気持ちになりますね。

ブースに目を移すとステージなどもライブ配信などをおこなえる構成にしているブースも多く、情報発信により力を入れているのがわかります。

ゲームの展示と言う点ではスタンドアローンの試遊台が多く、気のせいかステージでのオンライン対戦などの規模の大きいイベント(テクニカル要素の強いもの)は減った気がします。
ゲーム機やPCなどでもオンラインプレイが当たり前の時代となったことでイベントとしての目新しさが無くなったからでしょう。

スマートフォンゲームコーナー

そんな中で「おや?」と思ったのはGoogle playのブースです。
ここでは「ダイヤモンド城」のオフラインイベントを開催しており、お城のような空間で様々な体験ができるというものです。
特に各ゲームメーカーの人気7作品とコラボして景品がもらえる事は人気の理由だっと思います。
いつもはビジネスデーはあまり人がいないGoogleブースですが今年は良かったと思います。


しかし、このスマホのエリアはレイアウトには課題を感じました。
内側にも通路があるのですが、集客し辛く来場者側にも出展者側にも疑問の残る配置です。
まるで裏路地のような空間なのです。

そしてその通路の直後に気になるブースが出現しました。それがJOY MOBILE NETWORKのブースです。
何が気になるのかと言うと、キノコの被りモノをしたスタッフです。これは出展している「キノコ伝説 勇者と魔法のランプ」のプロモーションです。


その被り物のキノコキャップがパッと見は「キノピオ」じゃない?と思ってしまいます。実際には赤と白の配色が逆転しているのですが、狙っているようにしか思えませんでした。
もちろん純粋に可愛らしいですよ。

ゲームアカデミーコーナー

最後はここを紹介しておきましょう。
20年くらい前はTGSでの学校出展は少なくところどころに数校出ている状況でした。
それが今や50以上の出展で賑わいを見せています。

各ブースは学校紹介と学生の作品展示が基本です。どのジャンルのどの企業にも言える事なのですが、その仕事内容と言うのは一般には知られていません。
きっとゲームなどのエンタメも同じで、どういったツールでどのようなフローや技術で作られていて、現場では何が必要なのかは外からではわからない事だと思います。

そういったゲーム業界などで働きたいが、技術やゲーム作りはわからない学生にとっては頼もしい存在と言えます。

また企業側も良いクリエイターを採用したいが学生らの表面だけを見ていても判断は出来ません。これらの学校はそういった中継基地の役割を果たすことで存在価値を高めています。TGSではメディアや学生への情報発信とともに、会場ではゲームメーカーへのアピールの場でもあるのです。
最近では個人での動画制作やアプリ配信も盛んになってきていて、変化し続ける学生のニーズにこたえる必要があり、学校経営も大変だと思います。

そういえばゲームメーカー大手のコナミもeスポーツ学院を設立し運営しています。今年2024年からは通信制高校の「第一学院高等学校」と提携して高校卒業を目指せる3年制へ転換しています。
なお第一学院高等学校はワタナベエンターテインメント直営の「渡辺高等学院」と提携した芸能コースなども展開しており、中学生と言う早い段階でプロと学業の両立が可能な進学の形がトレンドとなる予感もします。


TGSに行くのは毎回ではないのですが、見てみると時代の変化も感じられて刺激をもらえます。
日本はゲーム王国と呼ばれた時代から最近ではやや海外勢に圧されている側面があり、PlaystationやSwitchなどのハードのみならずソフトの面でも巻き返せる力があると思うので、是非各メーカーとクリエイターの人たちには頑張ってほしいと思います。

以下、最終的なTGS2024の来場者数(公式)です。
<来場者数>
9月26日(木):42,031人
9月27日(金):45,149人
9月28日(土):97,786人
9月29日(日):89,773人
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合計    274,739人

会場にいる間にものすごい雨が降っている時間帯もあって帰り道が不安でしたが、閉会時間には何とか傘を差せば凌げる程度になっていました。
最近の東京はいつゲリラ豪雨に襲われるかわからないので油断は禁物です。


なお次回 東京ゲームショウ 2025 は2025年9月25日(木)~28日(日)に開催が予定されています。
楽しみに待ちましょう。