第63回 農林水産祭 実りのフェスティバル 2024(サンシャインシティ)

今年も行ってきました、池袋サンシャインシティで開催された『 農林水産祭 実りのフェスティバル 2024 』です。

農林水産省と公益財団法人日本農林漁業振興会との共催で行われるこのイベントは63回を数えます。私は各自治体が参加するようなイベントが好きでいくつか覗いているのですが、このイベントも農林水産省が音頭を取ってはいますが、農業、林業、漁業色々な形で知ってもらおう、感じてもらおうという場です。

と昨年までは私は勝手に思っていたのです。

第63回 農林水産祭 実りのフェスティバル 2024

名称:第63回 農林水産祭 実りのフェスティバル 2024
会期:2024年11月1日(金) 10:00~17:00~2日(土) 10:00~16:00
会場:池袋・サンシャインシティ ワールドインポートマートビル 4階 展示ホール A
主催:農林水産省、公益財団法人日本農林漁業振興会
趣旨:農林水産祭「実りのフェスティバル」は、農林水産業と食に対する理解の増進と農林水産物の消費拡大等に資するため、都道府県、農林水産関係団体等の協力を得て、農林水産業啓発展及び地域農林水産展を開催するものです。(出典 農林水産省)

農業水産祭

このイベントに参加する来場者にとってはあまり大きな関心事ではないかもしれませんが、会場の一角には「天皇杯コーナー」というパネル展示があります。
農林水産祭では、天皇杯、内閣総理大臣賞、日本農林漁業振興会会長賞と言う3つの賞が授与されます。

聞いて違和感のある言葉かもしれません。
そう「天皇杯」ですね。一般的には天皇杯と言うとスポーツ競技をイメージされると思います。例えばサッカーや大相撲などでは耳にしたことがあると思います。そんな天皇杯ですが、スポーツ以外では唯一農林水産祭で優秀な生産者などに賞が送られています。

農林水産祭での天皇杯をはじめとする三賞は、農産・蚕糸部門、園芸部門、畜産部門、林産部門、水産部門、多角化経営部門、むらづくり部門の7部門としています。さらに活躍が著しい女性2名に内閣総理大臣賞、日本農林漁業振興会会長賞が授与されました。

この天皇杯が下賜されるというのは大変栄養な事で、1962年(昭和37年)から毎年11月23日の勤労感謝の日を中心に農林水産業への取り組みや意欲を図るために農林水産祭にて(財)日本農林漁業振興会に7個の天皇杯が宮内庁を通じて下賜されているのです。

色々調べていて初めて、この実りのフェスティバルと言うものが天皇杯を含む農林水産祭を一般の人へわかりやすく伝えるため、特産物の販売や試食、農林水産省のパネル展示などを通じて様々な取り組みを紹介するためのものなのだと知りました。
今まで私は単純に食のイベントとだけ思って参加していました。何やら恥ずかしいですね。

また私自身は表彰と言うものに縁がないのですが、実績や成果が認められることは素晴らしいことですね。受賞された皆様おめでとうございます。


会場のパンフレットも掲載しておきます。このパンフレットですが、あまりネットに上がってない、ちょっとレアなデータです。



政府特別展示 農林水産省

さて会場を巡って私は真っ先に農林水産省のパネル展示(政府特別展示コーナー)を見て回ります。



そこで農林水産省が取り組む棚田地域振興を紹介するコーナーで少し話を聞きました。
棚田地域振興は2019年8月(令和元年)に閣議決定された基本方針に基づき行われています。

棚田地域の振興に関する基本的な方針

我が国の棚田は、有史以来、長きにわたり国民への食料供給にとどまらず、国土の保全、水源の涵養、自然環境の保全、良好な景観の形成、伝統文化の継承等に大きな役割を果たしてきた。まさに棚田は、国民共有の財産であり宝である。しかしながら、全国各地で歴史的にも地域的にも多様な棚田が、担い手の減少等により数年後には荒廃してしまう危機に直面しており、早急に効果的な対策を講ずることが不可欠となっている。
政府としては、こうした実情を重く受け止め、今般、成立した棚田地域振興法に基づき、政府全体で総合的な支援の枠組みを構築し、棚田が存在する地域の振興を通じて棚田の保全を図っていくこととしたもので、本基本方針は政府としての強い決意と施策の指針を示すものである。

出典)内閣官房・内閣府総合サイト 地方創生 棚田地域の振興に関する基本的な方針について PDFより抜粋


みなさんは棚田はご存知でしょうか。棚田とは、山の斜面や谷間の傾斜地に段々状に作られている水田のことです。
方針にも書かれているように現在棚田を取り巻く環境は厳しく、何とか国でもこの棚田遺産を残しつつ、それらを核とした地域の振興のために支援していこうということです。


話の中ではまず今後棚田を増やすというのは難しいと感じていて、その上で維持し将来に残していくための取り組みが大事だと聞きました。
また棚田は素晴らしい財産ではあるものの、単なる観光名所(眺めたり、写真を撮ったりと言った場所)では継続的に棚田を支える町や村が具体的に潤っていかないので、リピートも含めたサイクル化に取り組む必要がありますとおっしゃっていました。

例えば地域創生として道の駅を生み出し、そこへいけば美味しい農林水産物などの特産品があり、近くの棚田の名所も見る事が出来る。秋祭りのような定期的なイベントなどと組み合わせて何度も足を運んでもらうような仕組みづくりを行っていきたいとのことでした。
同時に高齢化の進む町や村への人的リソースや費用面も含めた負担軽減なども大きな課題だと感じているようでした。

なかなかフットワークの軽い循環サイクルを生み出すというのは簡単ではないですね。


またその他にも普段はあまり知ることのない課の方々がわかりやすく情報展示されています。
例えば農産局農業環境対策課では有機農業・有機食品ってなんだろう? ~環境にやさしい農業について知ろう~や、農村振興局設計課なら田んぼの水はどこからやってくる? ~360°動画を用いた農業水利施設見学体験など、ちょっと気になるテーマでわかりやすく紹介しています。

私が好きなクリアファイルもいくつかいただけました。
こういったイベントのものはエンタメなどのグッズとは異なり、情報発信や共有、また地域の魅力を伝えるための美しい写真が使われていてとてもいいです。




11時30分からはサンシャイン通路にてキャンペーンスタッフやゆるキャラなどの撮影会が行われました。
私も時間ははっきりしませんが実施されるのは知っていましたので、会場内を巡りながら待っていました。おそらく広報誌やメディア向けなどがメインかと思われるのですが、もちろん居合わせれば一般の人が撮影してもかまいません。


実際かなり長時間対応されています。
少なくとも30分ほどはずっと立たれていたように思いますので、展示ホールAは左右に分かれているため来場者が行き来をしていると気が付くと思います。

私は毎年土曜日にしか参加していないので確実な話ではないのですが、おそらく金曜日とはキャンペーンスタッフやゆるキャラは違うんじゃないかと思います。もちろん両日来られている場合もあります。
11月2日(土)の撮影会に来られていたキャンペーンスタッフは4人でした。

左から いわて純情むすめ の 新井田彩那(にいだ あやな)さん、ふくしまライシーホワイト の 岡部友香(おかべ ともか)さん、とやま食の王国大使ふふふ松島美玖(まつしま みく)さん、福岡うまかもん大使 の 山下優花(やました ゆうか)さんです。

撮影会以外にももちろん各出展ブースでも特産品などを積極的にアピールしていました。

会場をグルグルしているとキティちゃんにも遭遇しました。公益社団法人全国乗馬倶楽部振興協会のブースにジョッキーの衣装で当しています。この協会は乗馬の普及振興を目的に活動しています。
実りのフェスティバルでは屋外サンシャイン広場でポニーの乗馬体験を行っていて、また館内展示では全国災害被災地などでの馬とのふれあい活動を紹介していました。このパネル展示にキティちゃんは来ていました。

実は私もサポートスタッフの方に「是非!」と言われて写真を撮っています。握手もしてすごく積極的なキティちゃんでした。
他にも全国農業協同組合中央会(JAひろば)の牛の乳しぼり体験など子供たちにも人気でした。

実りのフェスティバル 出展者エリア

何といっても盛り上がっていたのは各都道府県ブースでの特産品販売です。

毎年来ているとやはりお肉と果物が人気でしょうかね。売っているものは非常に多くて見るだけでもワクワクしてあっという間に時間が過ぎます。試食もたくさん提供されていてお腹が膨れそうです。
そのうえ多くの人が販売されているグルメやお弁当などをその場でワイワイ談笑しながら食べていました。

私もこういったイベントでは会場を3~4周くらいは回ります。すごく混んでいるので、最初の1~2周は見逃したブースも多くて、3周目でも「あれ?このブース見てなかった」なんてことも少なくないのです。


毎年、池袋・サンシャインシティでは11月に実りのフェスティバルの他に「ニッポン全国物産展」などが開催されています。こちらも規模が大きく全国から中小企業、小規模事業者などが自慢の地域特産品を販売します。特に美味しいものに目が無い来場者はみなさん11月に最低でも2度サンシャインシティに訪れることになりますね。

また来年きます。